勤労感謝の日にはお食事にも感謝を。

2023.11.08

こんにちは。
料亭旅館三田清プランナーの細野です。

 

今年の夏は、過去126年で
最も暑かったそう。

それを聞くだけで辟易としてしまいますよね。

やっとのことで猛暑をなんとか乗り越えると、
朝晩のひんやりとした空気や
色づいた紅葉など、

冬に向けた季節の移り変わりが
より一層ありがたく感じられます。

 

さて、11月と言えば、
国民の祝日が2日ありますよね。

『文化の日』『勤労感謝の日』です。

 

先月は『読書の秋』をテーマとして
文化に関わる話題に触れましたので、

今月は『勤労感謝の日』について
お話ししたいと思います。

 

皆さん、『勤労感謝の日』には前身が
あったことをご存じでしょうか。 

もともとは、日本の古代の神話に由来する、
『新嘗祭(にいなめさい)』という特別なお祭りです。

 

農作物の恵みに感謝する宮中の伝統行事であり、
収穫したお米などは神様にも
お供えすることになっています。

 

古事記によると、
なんと天照大御神(あまてらすおおかみ)自らが
「豊かな稲作ができるように」と
新嘗祭を行ったと記されており、

五穀豊穣に対する感謝の思いが、
新嘗祭の起源となっているようです。

最初に新嘗祭を行ったのは
642年の皇極天皇とされていますので、
その歴史の古さがうかがえますね。

 

いまでもこの新嘗祭は、
伊勢神宮を始めとする日本全国の神社で
毎年11月23日に行われています。

では、それがいつから
『勤労感謝の日』になったのか。

 

ここは少し固いお話になりますが、
戦後、GHQが「宮中行事と国民行事を切り離す」
という考えのもと、

1948年から『新嘗祭の日』を廃止して
国民の祝日である『勤労感謝の日』と定めました。

 実は、アメリカやカナダにも
『サンクスギビング(Thanksgiving Day)』という
祝日があります。

こちらは「収穫感謝日」と訳されますので、
収穫をよろこび、自然の恵みに感謝するのは
さまざまな国や人々に共通する想いなんですね。

 このように、『新嘗祭』あらため『勤労感謝の日』は、
日本の季節感と文化が結びついた特別な祝日と
いえるのではないでしょうか。

 ちなみに、令和に入ってからは
1年で最後の祝日でもあります。

季節の変化を楽しみ、日本の歴史に思いを馳せる
特別な1日として過ごせるといいですよね。

 

僭越ながら当館も長い歴史の中で、
その季節ごとの恵みを美味しい料理に
仕上げることに精進し続けてまいりました。

お召し上がりいただいたときに
自然と食材への感謝が浮かぶような
お食事がご提供できることを常に心がけております。

 

料亭旅館三田清のお料理とおもてなしが、
この秋の皆さまの思い出となれば幸いです。

従業員一同、お客様のご来館を
心よりお待ち申し上げております。